PSS SDK のオープンβが リリース されました。この記事はオープンβ前の、API が非公開だった頃のものであることに注意。結果としてほぼ記事に書いてある内容と同じですね。
PlayStation Suite SDK (以下 PSS SDK) について技術的にわかっている事を SCEE の公開プレゼンを元に書きます。いつもは MMDAI のリリース情報ばっかり書いていますが、今回はすごく久しぶりに技術系の記事です。
前提知識
SCEE とは Sony Computer Entertainment Europe の略で、SCEI の欧州地域を担当しています。その SCEE の研究開発部門が過去に発表したプレゼンを公開していると共に貴重な情報源です。何故貴重かというとゲームコンソール開発は閉じられたものであり、各ゲームコンソール会社のライセンシーのみが開発を許可されているという背景があるためです。PSS SDK についてはGoogle+のポストが詳しいのでそちらを参照したほうがよいかもしれません。ひとことで言うと Sony Ericsson の Android 端末と PS VITA で動くアプリの開発が可能な開発環境のことで、PS VITA のアプリが作れる唯一の環境になります。
PSS SDK の技術的情報
Jordan Gaming Summit 2011 で公開されたプレゼンが最も詳しく書かれているので、それを元に箇条書きで書きます。Game Connection Europe 2011 のプレゼンに入っている PSS SDK の情報は Jordan Gaming Summit 2011 と内容がかぶるので省略します。- 開発可能な言語は C# であり、VM は Mono で確定 (p.67, p.72)
- ネイティブコードは許可されていないことが明記されている
- C# には unsafe の仕組みがあるが、これも利用出来ないだろう
- SCE の今後の動き次第では C# 以外の言語も解放されるかも?
- PS Suite Studio という IDE が提供される (p.69)
- 見た目は MonoDevelop にすごく似ているのでそれのカスタマイズ版?
- PS Suite UI Composer という UI 設計を支援するアプリケーションも用意される (p.70)
- クラス指向の API 設計 (p.73, p.74)
- p.73 にあるソースコードから OpenGL ES 2.0 を隠蔽するような形の DirectX 風の API が用意されているようだ
- 高級シェーダ言語が用意されている (p.75) が、p.73 にあるソースコードから GLSL ではなく Cg を使ってる可能性が高い
- 用意されている API は p.74 に書かれているが、低レベルなオーディオやカメラや位置情報取得といった API は p.77 から逆のことを言うとまだ存在しない
PSS SDK の技術情報をメインに書きましたが、SCEE のプレゼンはほとんど公開されることがなく、ブラックボックス度の高い PS3 や PS VITA などの技術的情報を知ることができます。
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